なっちゃんだって生きている

恋愛・転職・結婚・出産・育児 ダメ女でもなんとかやってきました

認知症の恐ろしさを語るから聞いてくれ

みなさんは認知症についてどれくらいの知識がありますか?

ご家族に認知症患者がいる方はよくわかっていると思いますが、身近に患者がいない人は「物忘れがひどい」くらいの認識かもしれません。

 

私の父は約8年前に若年性のアルツハイマー型認知症と診断されました。

当時付き合っていた彼に重々しく打ち明けると、

「え?治るんでしょ?」

と返されて唖然としたことがありました。

 

しかし今思えば、私が心理学専攻だったから知っていただけで、一般の人に知識がないのは致し方ないことでした。

 

そこで今回は、私の父を例に認知症の恐ろしさをお伝えしたいと思います。

※症状は個人差がありますので、あくまで一例です。すべての人に当てはまるわけではありません。

 




 

 

アルツハイマー型認知症の初期症状

今日の日付、時間、今いる場所がわからなくなる

私たち家族が父の認知症を知ったのは、当時父が勤めていた会社から連絡を受けたことがきっかけでした。

「もの忘れがひどい。今自分が何階にいるかわからない。自宅の電話番号を聞いたら慌てて手帳を取り出して探していた。住所もわからないようだ」

と会社の人に言われました。

そこで医療機関にかかったところ、若年性のアルツハイマー型認知症と診断されました。

 

外出すると、家に帰れない

老人が徘徊・迷子というニュースを聞いたことがあると思いますが、私の父も同様でした。

子どもたちが通っていた小学校近く(徒歩15分程度)にいたところ、家までのルートがわからず、タクシーで帰宅したことがありました。

元から頑固な性格で、「自分はボケてなんかない!」と逆上していた父も、さすがにこの時は自分の異常に気が付いていました。

 

財布が小銭でパンパンになる

当時、母がフルタイムで仕事に出ていたため夕飯を作る人がいなかった我が家。

(子どもたちは部活やバイトで忙しかった)

認知症で仕事を干され気味だった父は在宅時間が長いものの、昔からまったく料理ができませんでした。

そこで、コンビニに買い出しに出かけることが多くなったのですが、お財布がいつも小銭でパンパンに膨れ上がっていました。

これは脳の機能低下により簡単な数的処理ができなくなるのが原因です。

そのため、いつもお札で支払いをしてお釣りの小銭が溢れかえっていました。

 

趣味やおしゃれに興味を示さなくなる

父はほぼ無趣味で服装もダサかったのでこれはかなり盲点でした。

大きょうだいの末っ子で甘やかされて育ったので、何もできないキャラが定着していたのも発見が遅れた理由の一つです。

明らかに服の組み合わせがおかしい、季節感を無視する、といった様子が見られる場合も認知症を疑ってください。

 

認知症は非常に厄介な病

進行を遅らせる方法はわかってても、実行ができない

以前の記事でも述べましたが、私の父は「誰飯男」です。

関連記事

natsu29.hatenadiary.jp

認知症の進行を遅らせる方法は、研究によりいくつか発見されています。

ウォーキング

手先の運動

音読

会話

などなど。

 

当然、病気の進行を止めたい家族は必死で脳を活性化させる活動に誘います。

しかし、「誰飯男」である父は家族を見下しているので、家族の提案を受け入れようとしません。

自身の能力低下についても

「できないんじゃない、やらないだけだ」

と言って頑なに認めようとしません。

 

そんな反抗的な態度にいつしか家族は疲弊し、父を嫌いはじめました。 

 

認知症患者は、自身の病気を隠そうとする

これは発達障害の人にも見られる事ですが、「医師など他者の前ではできるように見せかける」という特徴があります。

 

知り合いの話でも、家では家事を全くせずゴミ屋敷状態なのに、医者の問診では

「私は家事をすべて自分でやっている!どこも悪くない!」

と強い口調でハキハキ答えるおばあさんがいたそうです。

家族は深刻に悩んでいても、いざ検査になるといい結果を出してしまい、問題の根深さが理解されないというのも認知症に付随する問題の一つです。

 

「人の表情」は理解できるため、周囲の態度に傷付いてしまう

認知症が進むと、当然周囲の人間は苦労します。

本人に悪気はなく、自分の何が悪いのかもわかっていません。

ただ、周囲の

「あーまたやった」

「めんどくさいなあ、もう」

という表情や態度は敏感に察知します。

それにより傷付いて心を閉ざしてしまい、余計に対策がしにくくなってしまいます。

 

優秀で活動的な人でも発症する

脳の機能低下=脳を使っていないと考えがちですが、必ずしもそうではありません。

大手企業でバリバリ働いていた人

よさこいの最前列で踊っていた人

社交的で友達が多い人

そんな人でも認知症にかかります。

認知症は誰でもなり得る病気です。だからこそ、早期発見のアンテナを張ることが非常に重要なのです。

 

認知症が進行すると、愛する家族でも愛せなくなる

会社をクビになってから

とうとう通勤もままならなくなり、会社の恩情で退職日まで休職期間を設けてもらい父は退職しました。実質クビです。

活動量が減り、症状はかなり深刻化します。

・家族は誰一人わからず、家で出くわすと不審者扱いする

・お風呂に入りたがらず、体から悪臭がする

・家具、家電を壊す

・自転車で高速道路に侵入する

・家中に唾を吐く

・トイレに行けなくなる

・徘徊し、店先の商品を食べてしまう

 

抵抗する男性の入浴、着替えはかなりの重労働です。

また徘徊の結果トラブルを起こし、警察のお世話になることも多々。

これらの症状は私が実家を出てから見られるようになりました。

いつしか前向きだった母も、

「早く死んでほしい…」

と漏らすようになりました。

 

f:id:beauty29:20170816122715j:plain

不衛生になるのも病気のサイン

 

とにかく早期発見を

認知症の一番恐ろしいところは、愛する家族から死を願われることです。

初期段階では、「生きているだけありがたい」と思っていても、壮絶な介護生活によりその気持ちはネガティブな方へ傾いていきます。

人は認知症が原因で死ぬことはありません。死ぬとしたら誤飲などの事故が起きた時です。介護はいつまで続くかわからないのです。

家族が死を願う段階に行くのを少しでも遅らせるためには、早期発見と対策が必要です。

ただ、我が家のように本人が拒むケースもあります。

これについては行政が重い腰を上げないことにはどうにもなりませんが…。

それでも、認知症についての知識を周りの人間が身に付けているだけでも大きく変わります。

 

自分もかからないよう努力する

残念ながら私は認知症家系で、旦那も認知症患者が身内にいました。

お互いそれが何を意味するかはわかっています。

 

認知症は誰でもなり得る。では、自分は何をすべきか?

 

・脳に楽をさせない

・自分の変化にアンテナを立てる

・病気になっても愛される人間になるよう今のうちから努力する

 

私はこの3点だと考えています。

また、頑固な父から「素直になる」ことの大切さも学びました。

 

みなさんも、認知症の介護をする側・される側になる可能性は十分にあります。

この記事によって、少しでも認知症に興味関心を持っていただけると嬉しいです。